くらし情報『李相日監督が語る最新作『流浪の月』「答えはわからないけど、そこにあるであろう“手触り”を掴みたい」』

2022年5月12日 12:00

李相日監督が語る最新作『流浪の月』「答えはわからないけど、そこにあるであろう“手触り”を掴みたい」

空間と演技だけを撮るのではなく、俳優のセリフや芝居の奥には必ず何かしらの“揺らぎ”があるべきではないかと思っていて、他にも光の具合や流れる雲と飛び交う鳥など、常にフレームの外の状況も注視していました。セリフや演技だけでなく、映像そのものが雄弁であることがホンさんの卓越した美意識なのかもしれないですね。そしてそれは単に美しいだけではなくて、見方によっては残酷だったりもする。だからこれまでの撮影では考えられないほどスカイライン(フレームの中で空と建物や山などを隔てる輪郭)やマジックアワーを狙っています。脚本上夜設定のシーンでもあえてスカイラインの時間に撮影することで、シルエットがかもしだす儚さや限られた時間への愛しさが映像に焼き付けられていく。すべてのカットにおいて画にどうやって“艶(つや)”を出していくのかホンさんは腐心されていて、刺激を受ける毎日でした。

撮影ではホンさんとそのシーンの“ファーストカット”を探すことにほとんどの時間が費やされました。現場で見つけたファーストカットを編集でどこに着地させるのか見つけていく。
本作ではそういう連結もありましたね」

撮影監督が変わるというのは、もうちょっと根源的な“感覚が変わる”に近い

李相日監督が語る最新作『流浪の月』「答えはわからないけど、そこにあるであろう“手触り”を掴みたい」


映画において撮影監督は作品の目であり、語り手でもある。

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