くらし情報『『内藤礼 生まれておいで 生きておいで』レポート 縄文の土製品に見出すかつての「生」の痕跡』

『内藤礼 生まれておいで 生きておいで』レポート 縄文の土製品に見出すかつての「生」の痕跡

、展示ケースの外が「生の内」とされる。ケース内には、内藤が最初に出会った土版がある。母を思わせる女性の胴体を表した、祭や祈りに使われたと思われる土製品だ。「生まれておいで、生きておいで」という声が聞こえ、その声は「生の外」から「生の内」に向けられた力や慈悲であると感じられたという。

『内藤礼 生まれておいで 生きておいで』レポート 縄文の土製品に見出すかつての「生」の痕跡

土版東京都品川区大井権現台貝塚出土 縄文時代(後〜晩期)・前2000〜前400年土撮影:筆者
ケース内はおおむねシンメトリーに展示されており、展覧会全体は、この内藤が母体とした土版から始まり、内藤の作品《死者のための枕》で終わる「生の往きと還り」として構想されている。


『内藤礼 生まれておいで 生きておいで』レポート 縄文の土製品に見出すかつての「生」の痕跡

内藤礼《死者のための枕》2023年 シルクオーガンジー、糸撮影:畠山直哉
ケースの外では、天井から風船や毛糸玉が吊るされている。ふたつの風船がゆっくりとくっついたり離れたりする姿から、目には見えない空気の動きにも気づく。

『内藤礼 生まれておいで 生きておいで』レポート 縄文の土製品に見出すかつての「生」の痕跡

手前は《風船》2024年空気、風船、テグス撮影:筆者
第2会場の本館特別5室は、これまで数々の企画展の会場になった場所。ここ数十年で初めて大開口の鎧戸を開け、カーペットや仮設壁を取り外し、建築当初の裸の空間に戻して作品が展示された。

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