2022年3月14日 18:00
「奇想」もいいけど「ふつう」だって素晴らしい! 『春の江戸絵画まつり ふつうの系譜』開催中
江戸時代の画家の中で、伊藤若冲や曽我蕭白ら「奇想の画家」が人気を集めている昨今。「奇想」という魅力は、「そうではないもの」、つまり「ふつう」があって初めて成り立つのかもしれない。
その「奇想」への注目によって、「ふつう」になってしまった江戸時代の「きれいなものづくり」に注目し、紹介する『春の江戸絵画まつりふつうの系譜』。 2020年に新型コロナウイルス感染症の影響により途中閉幕となった展覧会が、5月8日(日)まで府中市美術館にて再び開催される。
同展では、福井県敦賀市立博物館の江戸絵画コレクションから、土佐派や狩野派、円山四条派など、美術界のメインストリームで「きれいなものづくり」に情熱を傾けた画家たちの、選りすぐりの「美しい」作品群や、「ふつう」と「奇想」の間にあるユニークな画家たちの作品を紹介。
これまでにも、『春の江戸絵画まつり』では、江戸時代の動物絵画を取り上げてきたが、今回は、円山応挙や岸駒、長澤芦雪らの動物絵画における「ふつう」についても展観する。
美術史のメインストリーム(=ふつう)を俯瞰し、魅力を知ることで、奇想も、そして「日本美術史」という更なる広い世界も、もっと楽しめるようになりそうだ。