2021年8月4日 07:00
“今の時代に生きる能”を目指す銕仙会 新作能『長崎の聖母』『ヤコブの井戸』開幕
『ヤコブの井戸』(ディートハルト・レオポルド作)は、2019年に欧州で世界初演、今回が日本での初演に。対立する2つの民族が砂漠で1つの井戸の水を分け合うという「新約聖書」ヨハネの福音書の物語を題材に、レオポルドと演出・出演(シテ)の清水寛二が数年にわたり対話を重ねて創作。今なお世界で絶えない民族間、宗教間の諍いに疑問を呈し、象徴としての水を分け合うことの意味を問いかける。
さらに、能楽堂ではなく現代舞台芸術の劇場である座・高円寺での上演、そして舞台美術・照明・映像の導入などに挑戦するなど、表現方法の面でも通常の公演にはない新たな試みに挑戦。演出協力には劇作家・演出家の佐藤信、映像デザインの飯名尚人らが参加しているのも注目だ。
なお、『ヤコブの井戸』に出演予定だった欧州キャストは、日本での新型コロナウイルス感染拡大のため招聘中止に。アイ狂言(野良猫)は女優・みょんふぁが担う。8月7日(土)ライブ配信あり。
文:伊藤由紀子
銕仙会 新作能『長崎の聖母』『ヤコブの井戸』
2021年8月4日(水)~8月8日(日)
会場:東京・座・高円寺1
※公演日時により演目が異なります。
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