2022年8月29日 12:00
美術館の展示空間を活かしたインスタレーション形式で公開『見るは触れる 日本の新進作家 vol.19』
(c)Masaru Iwai, Courtesy of Takuro Someya Contemporary Art
2002年より東京都写真美術館が毎年開催している、今後の活躍が期待される写真・映像作家を紹介する『日本の新進作家』が9月2日(土)より開催される。19回目となる同展では、写真・映像イメージの持つテクスチュア(手触り)を起点に、写されたイメージはもちろん、その支持体となるメディアそのものへの考察をうながす、5名の新進作家たちを紹介する。
その5名とは、スケートボーダーとしての身体感覚を持って支持体に都市の記録を重ねる手法が代表的な水木塁、物事を認識する際に生じた些細な引っかかりから想像と迂回を繰り返し、それらを検証するプロセスを写真や映像作品に展開してきた澤田華、自らが撮影した写真表現を消す(削る、燃やすなど)という行為を通して、都市やそこに生きる人々の現実に対峙している多和田有希、社会制度やメディア技術の発展にともない、かえって曖昧になっていくものをあぶり出そうとする永田康佑、クレンジング(浄化・洗浄)をテーマに社会をシニカルに洗い出す岩井優。彼らの作品は、視覚はもちろん、物質としての生々しい手触りの感覚を観る者に思い起こさせてくれるだろう。