2023年8月4日 12:00
自分の中に灯る“小さな火”を見つめる。監督が語るディズニー&ピクサー最新作『マイ・エレメント』
エンバーは自分が何をしたいのかを知るために、周囲の人たちと関わりながら、何度も何度も自分自身に問いかけていく。その過程は、本作をつくるソーン監督自身と重なる部分がある。
「この映画を作り始めた時には、こんなにもパーソナルな作品になるとは思っていませんでした。しかし、映画の制作中に両親がこの世を去ったこともあって、本作はどんどんパーソナルなものになっていきました。言うまでもないことですが、この映画は“私自身の物語”を描いたわけではありません。作品のDNAにパーソナルな要素が組み込まれている、というイメージです。
創作の過程では、どんどん“自分のすべてをさらけ出す”想いが高まってきて、ナーバスになった時もあったのですが、スタジオには私と似た境遇の人がたくさんいて、いろんなエピソードを話してくれました。そこでこの映画では、彼らをリスペクトする物語にしたいと考えるようになったのです」
まず自身と向き合い、自分の中にあるキャンドルのような火を見つめることで、結果として周囲との関わり方を変え、相手とつながることができる。
“他人と調整”は重要だが、それよりも先にしなければならない大事なことがある。