2022年1月21日 17:00
平間壮一、小関裕太が体現する切ない愛 市川洋二郎演出『The View Upstairs-君が見た、あの日-』稽古場レポート
はあたたかい響きを備える。
平間壮一
小関裕太
この作品の大きな見どころは、アップステアーズ・ラウンジに集う一人一人のキャラクターが際立ち、イキイキとした存在感を放っているということだ。ラテン系ドラァグクイーンのフレディ(阪本奨悟)によるショーはキラキラした輝きに溢れている。阪本がチャーミングに歌い踊る姿は必見!また、経験豊富でコミュニティのメンター的存在であるウィリー(岡幸二郎)が見せる、一分の隙もない身のこなしとエレガントな佇まいは圧巻だ。ウィリーによる一人語りのシーンには稽古場中の視線が集中した。女性と結婚し子供もいる“クローゼット”のゲイであるバディ(畠中洋)が抱く複雑な心境やフレディの母でシングルマザーのイネズ(JKim)のあたたかく包み込む愛情など、それぞれのドラマや関係性が濃密に立ち上がる。異彩を放つのは、コミュニティの中で孤立するデール(東山義久)。デールが歌う「孤独の闇」は魂の叫びのよう。クールでスタイリッシュなパフォーマンスに定評がある東山が孤独なデール役で新境地を拓きそうだ。
岡幸二郎
東山義久
登場人物たちは台詞や歌がない場面でもステージ上(=アップステアーズ・ラウンジの店内)