トロント国際映画祭:イタリアの不法移民を描く感動作『Anywhere, Anytime』
助監督の提案で、映画の後半に起きる重要なことの前と後は混ぜないスケジュールにするよう工夫されたのは、非常に大きかった。いつまでも心に残るラストシーンが撮影されたのも、最終日だ。
「あのラストシーンまでに、彼は5週間をあのキャラクターとして生きてきたんだからね。僕らはそれをとらえたかったんだ。イブラヒマは本当にすばらしい仕事をしてくれたよ」(タングシャー)。
シンプルながらとてもパワフルなこの映画を通じてタングシャーが伝えたいのは、日常生活で無視されがちな人たちにも関心を持つこと。
「西洋社会は、一部の人たちを目に見えないよう管理してきた。だが、実際には、駅であれ、道端であれ、移民はどこにでもいる。
数秒でいいから、その人たちがどんなことに直面しているのか、考えてみてくれれば。それはイタリアだけでなく、世界のいろいろなところで起きていることなのだしね」(タングシャー)。
文=猿渡由紀
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