2023年6月7日 11:30
忘れられてしまうような細やかな発見や驚きに注目した展覧会『吹けば風』6月27日より開催
近年注目を集める新進気鋭の4人の作家、川角岳大、澤田華、関川航平、 船川翔司を紹介する企画展が、愛知県の豊田市美術館で、6月27日(火)から9月24日(日)まで開催される。初めて公開される最新作を含む、絵画や映像、インスタレーション、パフォーマンスなど、幅広いジャンルの作品が見られる現代美術展だ。
『吹けば風』という謎めいたタイトルは、明治生まれの詩人・高橋元吉が詠んだ詩の「咲いたら花だった 吹いたら風だった」の一節に想を得たという。詩が示唆するのは、偶然目にとまった道端の花や、思いがけず感じる清風など、ほんのわずかな間だけ人の心に留まる日常生活のなかの小さな発見だ。同展は、通常は見過ごされ、あるいはすぐに忘れられてしまうかもしれないそうした細やかな発見や驚きに注目し、その体験を見つめ直すことを展覧会趣旨としている。
今回選ばれた4人はいずれも、日々の生活や旅先での自らの体験に取材して、作品をつくる作家たちだ。素潜りや車の運転中に得た自身の体験を思い出しながら、記憶の濃淡を感じさせるような淡い色調の絵画を描く川角岳大(かわすみ・がくだい)。映画や写真、日常会話のなかに小さな謎を見つけて探る澤田華(さわだ・はな)。