くらし情報『“自分が正しいと思うこと”のための戦い。 映画『ペトルーニャに祝福を』監督が語る』

2021年5月27日 12:00

“自分が正しいと思うこと”のための戦い。 映画『ペトルーニャに祝福を』監督が語る

もちろん、彼女が聖人のように立派な人間だということではありません。私はこの映画で彼女が起こす変化が“個”を超えたものとして観客に受け止めてもらいたい、そう思って宗教画のようなフレームと、アップの構図、このふたつのコンビネーションで映画を構成していきました」

警察に連行されたペトルーニャはさまざまな人々から十字架を返せ、変化を望むなと迫られ、彼女は変化を求めて戦う。その結末は単なる“物語の終わり”だけではない感覚を観る者に与えてくれるが、その結末は複数のバージョンを撮影した上で、現在のものが選ばれたという。「どんな内容かは観ていただきたいのですが、結果的にあのような結末になりました。ペトルーニャは自分が掴んだ十字架には歴史があり、伝統があるとちゃんと理解していて、それが現在の私たちを形作っていることも十分に理解しているけれど、その上で自分のやり方で、それまでとは違った方法で自分自身を解放しようとする。それがあのラストなのだと思っています」

長く孤独な戦いの末にペトルーニャは十字架を手放すのだろうか? それとも死守するのだろうか? そして最後に彼女は何を決断するのか? 先の展開の読めない本作の結末は、多くの人の心を捉えるはずだ。

『ペトルーニャに祝福を』
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