2022年6月15日 12:05
『ゲルハルト・リヒター展』展示の模様をレポート!「見る」とは何かを問う多様な絵画表現に迫る
《ルディ叔父さん》2000年© Gerhard Richter 2022 (07062022)
「アブストラクト・ペインティング」は、1976年以降、40年以上描かれているリヒターの代表的なシリーズのひとつ。巨大なキャンバスに、絵の具を重ね、スキージ(細長いへら)で剥ぎ取った作品は、偶然が生み出した色彩の重なりに目を奪われる。
《アブストラクト・ペインティング》2017年© Gerhard Richter 2022 (07062022)
《アブストラクト・ペインティング》1992年© Gerhard Richter 2022 (07062022)
60年代後半から取り組んだ「グレイ・ペインティング」もまた、リヒターを語る上で重要なシリーズ。さまざまな筆触が見られる灰色一色で塗り固めれた作品は、リヒターが「無」の概念を示そうと試行錯誤したものだ。
左:《グレイ(樹皮)》1973年右:《グレイ》1973年© Gerhard Richter 2022 (07062022)
グレイ・ペインティングと対照的な位置づけに置かれているのが「カラーチャート」のシリーズ。《4900の色彩》は、既製品である色見本(カラーチャート)