くらし情報『『ゲルハルト・リヒター展』展示の模様をレポート!「見る」とは何かを問う多様な絵画表現に迫る』

2022年6月15日 12:05

『ゲルハルト・リヒター展』展示の模様をレポート!「見る」とは何かを問う多様な絵画表現に迫る

リヒターの「見る」は光学的(Optical)な営みではなく、どれほど「見る」ということが制度的なものに縛られているかということを、抽象や具象を行き来し、さまざまな素材を用いながら提示しているのです」(桝田さん)

長いキャリアのなかで、さまざまなバリエーションの作品を制作し、自らのスタイルを更新し続けてきたリヒター。会場ではその代表的なシリーズが紹介されている。

1960年代から取り組んでいた「フォト・ペインティング」は、雑誌や新聞に掲載された写真や、私的な写真をそのままキャンバスに描き写すことで、主題、構図、色彩の選択といった絵画における決まり事を排除し、対象を可能な限り客観視しようという試みだ。例えば下の《モーターボート(第1ヴァージョン)》は、ピンボケした写真のようも見えるが、近づいて見ると刷毛目がしっかりと確認できる。写真を忠実に再現することによって、絵画作品が筆跡の集積であることを際立たせている。

『ゲルハルト・リヒター展』展示の模様をレポート!「見る」とは何かを問う多様な絵画表現に迫る

《モーターボート(第1ヴァージョン)》1975年© Gerhard Richter 2022 (07062022)
『ゲルハルト・リヒター展』展示の模様をレポート!「見る」とは何かを問う多様な絵画表現に迫る

展示風景より手前:《モーリッツ》2000/2001/2019年© Gerhard Richter 2022 (07062022)

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