「僕らが組むのは時代を撮れるから」 『ヤクザと家族 The Family』藤井道人監督×河村光庸が語る
綾野演じる身寄りのない孤独な少年・山本に手を差し伸べ、“家族”という居場所を与えた柴咲組組長・柴咲博を、ヤクザ役は43年ぶりとなる舘ひろしが演じる。
本作の配給と制作を務めたのが、『かぞくのくに』(2012年)や『新聞記者』(2019年)、そして昨年公開された『MOTHER マザー』(2020年)などを送り出してきたスターサンズだ。日本社会に問題を問いかける社会派の作品を多く生み出し、今最も注目されている映画会社と言っても過言ではないだろう。
メガホンを取ったのは『新聞記者』でスターサンズと手を組み「第43回アカデミー賞」で最優秀作品賞、優秀監督賞など6部門受賞へと導いた藤井監督。『新聞記者』でも企画・製作を担当した河村プロデューサーとのタッグは本作で2度目となる。
「人間社会の矛盾と不条理が集約された形で今日まで残ってきたヤクザは、現代社会のリアルな縮図として、今こそ問題提起せねばならないテーマなのです」と河村プロデューサーは語る。スターサンズといえば『かぞくのくに』では在日問題、『新聞記者』では現在進行系の政治問題を取り扱う、まさに時代を見つめた題材選びが特徴的な会社だ。
藤井監督は「ヤクザはマンションも借りられないし、携帯電話も契約できない。