2024年1月23日 12:00
フレデリックが完全復活を遂げ新たなモードへ ツアー『WELL 噛 ONE』オフィシャルレポート
歓声が上がると共に、赤頭隆児(Gt.)のカッティングが鳴って飛び込んだのは「熱帯夜」だ。瞬間点火したフロアを大量のレーザーが切り裂き、会場はたちまちレッドゾーンへ突入。
三原健司(Vo./Gt)
ここから「フレデリズムツアーファイナルはじめます、どうぞ宜しく」と「オワラセナイト」を放って最初のブロックは終了となるのだが、この時点で明白だったのは、彼らが人力で織りなすダンスビートの強度。当然初期の頃に比べるとシンセサイザーなどのバンドサウンド以外もプラスしたライヴ編成にはなっているのだが、兎に角にもバンドそのもののグルーヴが凄まじい。そして、そのグルーヴは高速のダンスミュージック以外でも存分に発揮されることを目撃することになる。
明白なシーンとなったのが、彼らがシーンへ登場するきっかけとなった楽曲「SPAM生活」。三原康司(Ba.)(以下康司)のサイケデリックなベース、<死んだサカナのような眼をした/サカナのような生き方はしない>というリフレインフレーズが脳内をグルグルとかき回す、デビュー当時にして既にフレデリックとしての個性が確立している楽曲なのだが、彼らは今のモードで同楽曲を自由に泳ぎ回っていた。