観世流シテ方観世流・梅若実玄祥、3人の人間国宝がコロナ禍に祈りを捧げる『〜祈り〜』合同取材会に登壇
12月20日(日)に東京・国立能楽堂にて開催される「除災招福 疫病沈静 災害復興 国土平安平穏 祈念 三人の国宝『~祈り~』」の合同取材会が行われた。
『~祈り~』には、能楽シテ方観世流の梅若実玄祥、横笛奏者の藤舎名生、能楽小鼓方大倉流十六世宗家の大倉源次郎が出演。新型コロナウイルスによる疫病や、予期せぬ天災や災害によって被害を受けた人々へ“祈り”を捧げるために演奏を行う。合同取材会には梅若が登壇。公演に先立ち、意気込みを語った。
コロナ感染予防のため、合同取材会までの半年間ほとんど外に出なかったという梅若は、「今年は、私たちが何かをする場所までなくなってしまった。ただ、何もせずにいることが、考えることにも繋がってくる。この何もない世界を一生のうちに体験できたことは、大変素晴らしい経験をさせて頂いたと思っています。
何をやりたいか、逆に何をしたくないかということを考えながら、この矛盾の答えはいまでも出ませんけれども、そういうところでこの話が生まれて参りました」と家にいた期間のことを振り返る。
また、「大倉くんとは、10年ほど前から行っている少人数のお客さまを前に謡や小鼓を披露する集まりを、感染症拡大防止の自粛後、久しぶりに開催したときに、<自分たちのことを初めて聞いていただくことを通じて、聞かせるなんてとんでもない、聞いていただきたかった>という思いでやっていたので、こういう形の催しができないかなっていう話はずっとしておりました。