日本を代表する彫刻家・舟越保武の長女に生まれ、数々の美しい絵本を生み出してきた編集者の末盛千枝子(1941-)。その波乱に満ちた人生と仕事を総覧すると同時に、彼女を育んだ芸術家一家の作品を一堂に展観する展覧会が、4月15日(土)から6月25日(日)まで、千葉県の市原湖畔美術館で開催される。
編集者として最初に手がけた絵本『あさ One morning』がボローニャ国際児童図書展でグランプリを受賞したのを皮切りに、話題作を世に出し続けた末盛だが、その一方で人生は悲しみと困難の連続だったという。NHKの名ディレクターだった夫・末盛憲彦の突然死、長男の難病、立ち上げた出版社「すえもりブックス」の閉鎖、移住した岩手での震災など。だが、運命から逃げることなく歩みを続ける末盛の強くしなやかな生き方は、多くの人々に希望と勇気を与えてきた。同展は、末盛の次男でクリエイティヴ・ディレクターの末盛春彦がゲスト・キュレーターを務め、そんな末盛の波乱の人生と仕事を様々な角度から紹介していく。
見どころはたくさんあるが、特に注目されるのは、30 年以上にわたって上皇后陛下美智子さまを支えてきた末盛の仕事が詳しく紹介されること。