仏教美術をコレクションの核のひとつとする静嘉堂@丸の内で、8月11日(金・祝)〜9月24日(日)、『あの世の探検―地獄の十王勢揃いー』が開催される。静嘉堂文庫美術館が所蔵する《十王図・二使者図》と《地獄菩薩十王図》の全13幅を一堂に展示する初の試み。両作品の同一空間での展示は実に24年ぶりとなる。
仏教では、人が現生を離れ冥界に行くと、閻魔大王など10人の大王(地獄の十王)がいて、罪業を裁くと考えられている。そのため、亡くなった人の縁者が十王を供養することによって、その人の極楽往生を祈ってきた。
エネルギーに満ちた色彩と形により、十王とその足元に裁きの様子や地獄の獄卒らを描いた《十王図・二使者図》(中国、元〜明代)と、地獄に出向いて亡者を救済する《地獄菩薩十王図》(高麗時代)は一具で伝来してきた名品。作品保存の関係で全13幅を一気に見られる機会は希少のため、ぜひ往時の姿を堪能してほしい。
また、円山応挙筆《江口君図》が、重要文化財《普賢菩薩像》、重要文化財《西行物語》とともに展示される。
応挙筆《江口君図》は大阪・江口の遊女の亡霊が、西行と歌を読み交わし、普賢菩薩と化したという謡曲「江口」