くらし情報『市川中車が“両宙乗り”に挑戦 『七月大歌舞伎』初日レポート』

2023年7月4日 17:45

市川中車が“両宙乗り”に挑戦 『七月大歌舞伎』初日レポート

と筋書の聞き書きで語った通り、気迫あふれる舞台を勤めあげ、客席からは割れんばかりの拍手が贈られた。

夜の部は、平賀源内が「福内鬼外」の名で描いた義太夫狂言『神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし)』から。舞台は、褒美の金欲しさに新田義興の命を奪った強欲者・渡し守の頓兵衛(市川男女蔵)の家。ある日、義興の弟義峯(市川九團次)が恋人の傾城うてな(大谷廣松)と一夜の宿を乞いに偶然にも頓兵衛の家を訪れる。頓兵衛の娘のお舟(中村児太郎)は、気品あふれる義峯に一目ぼれ。全身で恋する乙女を体現するお舟の様子が微笑ましく描かれる。

しかし、父頓兵衛が義峯の命を奪おうとすると一転、愛しい人を守ろうと決意したお舟は恋と孝との板挟みで苦しみ、物語は後半の見せ場である父と娘の立廻りの場面へ。純粋な娘と極悪非道な父の姿が対照的に描かれる。
今回がともに初役となるお舟役の児太郎と頓兵衛役の男女蔵。児太郎は、恋に身を焼く切なくも情熱的なお舟で観客を魅了し、男女蔵は、徹底的な悪役でありつつも歌舞伎らしい品を失わない頓兵衛を勤めあげた。

続いては、江戸っ子の生き様を鮮やかに描く『神明恵和合取組(かみのめぐみわごうのとりくみ)

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