2022年12月2日 12:00
北斎の画力×『百人一首』が生み出す魅力を公開『北斎かける百人一首』12月15日より開催
正月の風物詩の「かるた」としても馴染みの深い『百人一首』をテーマとした企画展『北斎かける百人一首』が、12月15日(木) から2023年2月26日(日) まで、東京・墨田区のすみだ北斎美術館で開催される。
同展の大きな見どころは、館蔵の北斎最後の大判錦絵シリーズ「百人一首乳母かゑとき(ひゃくにんいっしゅ うばがえとき)」が、前・後期あわせて23図展示されること。タイトルは「乳母が子どもに絵で説明する」といった意味で、『百人一首』の歌を絵にすることで、その内容や意味をわかりやすく解説する趣旨で企画されたものだ。
歌や歌人の一般的な伝承やイメージに独自の発想を盛り込んだ北斎は、ときに歌人たちと同時代の風俗として、またときに江戸時代の風俗に見立てて、和歌に詠まれた情景を色鮮やかに描き出し、北斎ならではの世界観を表現している。和歌と合わせて、絵を読み解く楽しみを存分に堪能できるに違いない。
『百人一首』が江戸時代にどのように普及し、発展したのか、その歩みをたどる展観も興味深い。解説付きの書物が出版され、教科書や手習いの見本に取り入れられて人々の一般教養となった『百人一首』が、さらにポルトガル伝来の「カルタ」