2021年11月16日 17:00
MONOEYES、待望の有観客開催となった『Between the Black and Gray Tour 2021』武道館公演レポート
細美武士
これが本当に特別な、待ちに待った夜であることは誰の目にも明らかだった。両脇の巨大ヴィジョン、ステージ後方のLED CG映像、さらにド派手なムービングライトや上下使いのミラーボールが次々と楽曲に華を添える。指定席で座っていても十分に楽しい演出がたっぷり用意されていた。
それに見合うだけのスケールを今のMONOEYESは手に入れたのだ。サードアルバム『Between the Black and Gray』の楽曲たち。映画のスクリーンに飲み込まれていくような「Fall Out」や「Bygone」のずっしりしたリズム、力強く踏み鳴らすようなリフの重量感は、まさに武道館のためのもの。この4人にしか出せない熱の滾りがあり、会場の隅々にまで音を手渡していく技術力とマンパワーがある。
戸高賢史
さらには中間に響き渡ったミドルテンポの「Nothing」。暗がりの中でひとつの灯りをゆっくり手繰り寄せるような曲調、その灯りの温もりまでが伝わるようなディティールは、ライヴハウスでバカスカ飛び跳ねているだけでは絶対に手に入らないものだ。
そういう「ザ・武道館」仕様の提示をしながら、同時にとにかくバカスカ飛び跳ねるライヴバンドのままであるところが最高だった。