2022年4月2日 12:00
【ライブレポート】BEGIN、記念すべきデビュー日に東京でワンマン。「今日で32年。普段通りにやります」
は、個人的なハイライトと言っていい。《喜びも悲しみもいつの日か唄えるならこの島の土の中秋に泣き冬に耐え春に咲く三線の花》の歌詞は、とりわけ胸に響いた。時代が移り変ろうとも、人生の苦楽は避けては通れない。楽しい時よりも、むしろ苦しい時のほうが時間は長く感じられるものだ。そんな時にも雄大なスケールで、隣に寄り添ってくれる音楽の力をひしひしと感じた。
後半になるにつれ、エイサーよろしく立ち上がって踊る観客が増え、会場はお祭り騒ぎの様相を呈した。自分たちの足元を見つめた歌が、非日常の空間を生み出し、人々をみるみると熱狂させていく。まるでハレとケが循環するダイナミズム溢れるライブに圧倒されるばかりであった。
特別な演出などなくとも、デビュー32周年という節目に相応しい祝祭感に満ちたパフォーマンスだった。おそらく、全国各地で、このような歓喜渦巻く景色を作り出してくれることだろう。是非、老若男女を虜にするの音楽的魅力と、その奥深き底力に触れてもらいたい。
Text:荒金良介Photo:Viola Kam (V’z Twinkle)
<公演情報>
『第25回 BEGINコンサートツアー2022』
3月20日(日)