2022年11月22日 17:00
東京バレエ団「かぐや姫」第2幕公開リハーサル&振付家・金森穣 取材会レポート
彼女と向き合い、時に鏡のむこうの像のように現れる帝の正室・影姫の姿も印象的だ。
ふたりについて、「かぐや姫はこの世にもたらされた光。彼女が光れば光るほど、影姫の影は濃くなる」と説明した金森。
金森穣Photo:NBS
劇中では、ドビュッシーによる付随音楽で知られるピエール・ルイスの散文詩「ビリティスの歌」のフランス語による朗読の声を効果的に用いた場面も。詩の意味とこのシーンのアイデアについて金森は、「ひとりの女性が自分の思いを砂に書いていると、そこに雨が降り、消されてしまう。すべては儚く消えていく。きっと私のことは誰も覚えていないだろうという悲しげな詩ですが、私の設定では、影姫が愛読している本を宮廷に来たかぐや姫も読んでいて、ふたりの孤独な魂が見つめ合う──」と明かしている。
Photo:Shoko Matsuhashi
また、第2幕のハイライトのひとつになると予想されるのが、宮廷の男性たちによる力強い群舞だ。「男性群舞はやりたい要素のひとつだった。イメージは楽曲を決めたときからできていたけれど、群舞は単純に揃えばいいわけではない。一人ひとりのエネルギーがマックスに出てきてこその、猛々しい、血流みなぎるものであってほしい」