2022年8月25日 12:00
どんどん増える人・人・人…『館蔵品展 ぞろぞろ・わいわい・人だらけ―狩野派も、それ以外も』8月27日より開催
東京23区の区立美術館の中でも、最も長い歴史を有し、近世絵画や大正・昭和の前衛美術など、優れたコレクションを収蔵している板橋区立美術館。8月27日(土)より、その知る人ぞ知る同館の江戸絵画のコレクションから、人を描いた作品に焦点をあて、江戸時代を中心とした日本美術の中で、人々の姿かたちがどのように表現されたかを、丁寧に考察して紹介する『区制施行 90 周年記念館蔵品展 ぞろぞろ・わいわい・人だらけ―狩野派も、それ以外も』が開催される。
人を描いた絵画には、肖像画や美人画といったジャンルはもちろん、単身像から群像まで様々な表現方法があるが、同展では、描かれた人物たちを少人数から大人数まで、数を追って紹介していくのが特徴だ。
たとえば流行のファッションに身を包み、ひとりたたずむ理想化された女性を描いた美人画に、ふたりから3人で会話をしたり、競い合ったりする少人数のグループ。また和歌の名手「六歌仙」に代表される、決まった数の選りすぐられた人たちや、盛り場にわいわい集う市井の人に、「唐子づくし」「異国人づくし」という趣向で、ぞろぞろと並ぶ大勢の人たちなど。
狩野典信のような徳川幕府の奥絵師から、歌川豊春などの浮世絵師、酒井抱一といった江戸琳派の祖まで、各画工の表現の違いはもちろんのこと、登場人物同士、あるいは作り手と鑑賞者の関係などにも迫っていく。