くらし情報『仲道郁代が描き出す、ベートーヴェンとシューベルトの理想と夢』

2024年4月26日 12:00

仲道郁代が描き出す、ベートーヴェンとシューベルトの理想と夢

「ふたりの作曲家が生きた時代は重なっていますし、シューベルトはベートーヴェンを尊敬していました。しかし、彼らの夢の捉え方は異なるように思えます。ベートーヴェンは夢や理想に真っすぐに向かい、理想を追うこと自体が素晴らしいという考え方を持っていたと思います。対するシューベルトは、理想には到達しないとわかっていて、わかりつつもさすらい、巡ることが美しいと味わうという考え方のように思えます。今回の演奏曲を通して、ベートーヴェンがどのように夢や理想、遠く離れたものを描いたのか、シューベルトが見出したかったものは何だったのか、ということをぜひお聴き比べ頂きたいです」

全てのプログラムが注目曲なのだが、特に今回は最有名曲「月光」の印象が大きく変わりそうである。

発見されたベートーヴェン自身によるメモ書きから、彼が「月光」作曲に関連してエオリアンハープという古来の楽器に関心を持っていたことや、『エオリアンハープ』と題された書物に掲載されている詩に興味を抱いていたことがわかりました。その詩の一節には、こんな言葉が書かれています。

『…甘い夢に抱かれて、人生からあまりに早く見放され、この世の目的を果たせなかった人々の魂…』

第1楽章から第3楽章にかけて、ベートーヴェンがこの曲で何を見出したかったのか、ということを改めて考えながら演奏していきたいと思っています」

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