2021年8月3日 20:50
HYDEが神聖な境内でオーケストラを従え熱唱、初の平安神宮公演2日目レポート
また、本公演では壮大なプロジェクションマッピングも大きな見どころのひとつ。例えば未発表の新曲「SMILING」では主人公の傷ついた心をやさしくリセットする雪景色を表現して大極殿の屋根に雪が舞っては次第に積もっていく様子を、これまた未発表の新曲「THE ABYSS」では運命に翻弄され奈落の淵まで追い詰められた主人公の心象を暗喩するように満月に暗い影が差していく様を大極殿に映し出し、楽曲の世界観を増幅させるかのようだ。メタルパーカッションの金属音がものものしく鳴り渡った「NEW DAYS DAWN」に突入すると満月の様相はいっそう不穏を極め、燃え盛るかがり火の妖しさ、それを上回って猛々しさを秘めたHYDEのパフォーマンスとも相俟って、場内にはただならない空気が立ちこめていく。
必然のバランスで成立させた静と動の世界
曲が終わってHYDEが一旦ステージを下りると、替わりに雅楽隊が再び登場し、鬼の面を着けた能楽師・茂山逸平が風雅な舞を披露する一幕も。そこへ特別に作られた白の烏帽子に真っ白の姿で戻ってきたHYDEが歌い上げた「ZIPANG」はもはや圧巻の一語に尽きた。
連綿と紡がれてきた日本古来の伝統と風景、季節は巡りながらも移ろわず保たれてきたその美しさに想いを馳せ、狂おしくシャウトするHYDE。