くらし情報『日本画家・小早川秋聲の画業を通観する初の大規模回顧展『小早川秋聲 旅する画家の鎮魂歌』開催』

2021年9月21日 17:00

日本画家・小早川秋聲の画業を通観する初の大規模回顧展『小早川秋聲 旅する画家の鎮魂歌』開催

《國之楯》1944年、京都霊山護国神社(日南町美術館寄託)


大正から昭和にかけて、京都を中心に活躍した日本画家・小早川秋聲(こばやかわ・しゅうせい、1885~1974年) の画業を通観する初の大規模回顧展が東京ステーションギャラリーにて開催される。

鳥取のお寺の住職の長男として生まれ、9歳で京都の東本願寺の衆徒として僧籍入りした秋聲は、その後、画家になることを志し、日本画家の谷口香嶠(こうきょう)や山元春挙(しゅんきょ)に師事、文展や帝展を中心に出品と入選を重ね、画技を磨いた。

旅好きでもあった秋聲は、北海道、山陰、紀州など日本各地を絵に描き、国外では複数回の中国渡航に加え、1922年から23年にかけてアジア、インド、エジプトを経てヨーロッパ十数カ国へ遊学。1926年には北米大陸を横断し、日本美術の紹介にも努めた。

1931年以降は従軍画家として満州、中国へ何度も赴き、数多くの戦争画を描いたことでも知られている。なかでも終戦の1年半前の作である《國之楯(くにのたて)》は代表作に挙げられる1点だ。戦後は、罪を問われる覚悟で日々を過ごし、大規模な展覧会への出品も減っていったという。美術史上でも長らく忘れられた存在だったが、近年、従軍画家による戦争画が注目されるなかで、再評価の機運が高まっている。

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