くらし情報『棚田康司展『入って飛ぶ』ミヅマアートギャラリーで 2点の新作や90年代の作品で思索の変遷を辿る』

2024年1月12日 11:30

棚田康司展『入って飛ぶ』ミヅマアートギャラリーで 2点の新作や90年代の作品で思索の変遷を辿る

《宙を取り込むように》(部分)2023撮影:宮島径©︎ TANADA KojiCourtesy of Mizuma Art Gallery


彫刻家・棚田康司の個展『入って飛ぶ』が1月17日(水)〜2月17日(土)、ミヅマアートギャラリー で開かれる。
主に伝統的な楠の一木造で、はかなげな少年少女などをモチーフとして現代を映し出すような人物像を制作してきた棚田。第30回平櫛田中賞を受賞し、その記念として2023年10〜11月には、井原市平櫛田美術館で個展「線上に幅を 空間に愛を」が開催された。今回の個展では、このとき発表した2点の新作《地上を取り込むように》《宙を取り込むように》を中心に、新たに制作した作品や90年代の作品などで構成し、棚田の思索の変遷を辿る。
《地上を取り込むように》は少し上方を見据えた人物が、手にした長い縄でぐるりと空間を取り囲んでいる。それは自身の領域に人々を招き入れているような寛容さをイメージさせる。一方、《宙を取り込むように》は、縄を回しながら踏み込むような人物が、重力に抗い、力強く飛び跳ねんとしている。その姿は自身を受け入れ、肯定しているようにも見える。

フォルムのユニークな彫刻から、彫刻が響き合う空間へ。棚田は、境界線上に彫刻を存在させ、その線の幅を広げ、空間に余地を持たせることで、異なる思想や文化において他者を受け入れていくことを示唆する。

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