くらし情報『【レポート】野心的でありながら気高き正統派ミュージカル『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』』

2024年3月19日 12:00

【レポート】野心的でありながら気高き正統派ミュージカル『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』

この中で、老スピードワゴンが静かに、“ジョジョ”の物語を語りだす……。その幕開けから心がザワつくのがわかる。〈謎の石仮面〉の起源を表現するアステカの民たちのコンテンポラリーダンス的ポージングはすでに“ジョジョ”ワールドらしい不思議な形だし、スピードワゴンは演劇の殿堂であり王道たる帝国劇場には珍しいラップを歌う。今までの“ミュージカル”のものさしでは測れない、新しい何かが始まる予感がする。

【レポート】野心的でありながら気高き正統派ミュージカル『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』

ミュージカル『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』より製作:東宝©荒木飛呂彦/集英社
物語は、ジョジョの父・ジョースター卿とディオの父・ダリオの因縁から受け継がれる、息子たちの宿命のライバル関係を丁寧に描いていく。“ジョジョ”は松下優也(有澤樟太郎とWキャスト)。熱血だけで突っ走る、理想に自身が追いついていない少年時代から、様々な挫折を経て強い信念と高潔さを持つ青年になるまでの変化を説得力を持って演じている。真っ直ぐにぶつける正義が端正な立ち姿に映え、まぶしいほど“ジョジョ”だ。
そして“ジョジョ”からすべてを奪いジョースター家を乗っ取ろうとするディオを、宮野真守が鮮やかな“悪の華”として魅せる。

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