くらし情報『最新作『トラップ』でシャマランが描こうとしている“新たな神話”とは?』

最新作『トラップ』でシャマランが描こうとしている“新たな神話”とは?

本当に綱渡りのような繊細なバランス感覚での演技が必要だった」と振り返る。

最新作『トラップ』でシャマランが描こうとしている“新たな神話”とは?


これまで様々な物語で繰り返し犯罪者が描かれてきた。切り裂き魔も出てきた。でも、クーパーは何かが違う。見たことがない。シャマラン映画はいつもヒーローやドラマの“定型”をアレンジしてまったく新しいドラマを描く。かつて彼は筆者とのインタビューでこう語った。

「私の作品には特徴があります。
それはすでに存在する超現実的な神話の上で、さらに自分の考えた新しい超現実的な神話を語ることです。エイリアンやゴーストやヴァンパイアは、劇場に来る前から観客が知っている神話ですよね?私はその上で、さらに新しい神話を作り出して語りたいのです」

シャマラン映画はいつも“すでにある定型”に“観たことのない中身”を盛り込む。本作では“優しいお父さん”に“恐ろしい切り裂き魔”が潜んでおり、物語が進んでいくと彼は“親子関係に何かしらの過去を抱えた子”であることが見えてくる。クーパーは主人公であって、犯罪者として分析したり探究される対象であって、最後には「これはシリーズ化もあるのか?」と思ってしまうようなダークヒーローでもある。この主人公像の探究、シャマランが描こうとしている“新たな神話”を見つけ出すことが、『トラップ』をより深く楽しむポイントではないだろうか。

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