演出・野田秀樹『東京キャラバン the 2nd』静岡と東京で開催決定
……ちょっと前までは、いい言葉だった。この晩秋から冬にかけてを「人肌が恋しい季節」などと軽々しく書くこともできた。なんて幸せだったのだろう。今や「ソーシャルディスタンス」などという居心地の悪い言葉が流布し、「人肌」などもってのほかとなった。けれども、こんな時にこそ敢えて挑む。人と人のつながりが断たれた二年以上余りの時間を超えて、「いざ、集おう」。「人と近づこう」。そして傍らに「他人(ひと)」がいることの幸せを感じよう(ただし、感染防止対策を万全とした上で。
こう付け加えなくてはならない窮屈さはまだあるものの……)
東京キャラバンは「人の温もり」を取り戻す文化サーカスだ。目の前に繰り広げられるアートの偉業を、空中ブランコでも見るように楽しみながら「触れ合う」のは心だ。心が触れ合うことだけは、誰も止められない。
野田秀樹
■はらわたちゅん子 コメント
日本一の山に見守られながらたくさんの伝統を生み出す静岡と、都心への交差点として独自の風俗・文化が育つ池袋。富士山の湧き水が街を潤しながら駿河湾へ流れ出しているように、『東京キャラバン the 2nd』が生み出す希望によって誰かの心が煌めいて、また次の希望に繋がり広がっていったら素敵です。