くらし情報『【オフィシャルレポート】トランスレーション・マターズ上演プロジェクト 2023『エミリア・ガロッティ/折薔薇』稽古場より』

2023年10月13日 19:00

【オフィシャルレポート】トランスレーション・マターズ上演プロジェクト 2023『エミリア・ガロッティ/折薔薇』稽古場より

言葉のゴツさは大丈夫ですか?」と、この古めかしい言い回しについて意見を求められた。特に海外物だと翻訳の時点で意味を伝えるのが先か、言葉の情感が先か、悩まれることも多いのだろう。個人的には、理屈以前の訳のわからないことを目撃できるのが演劇の魅力のひとつだと思っている。だが、観客を置いてきぼりにできない気持ちもよくわかる。そのバランスを探りながら、クリエイションは進むのだ。

休憩後は場面は飛んで、ゴンザーガに仕える書記官マリネッリと賊のアンジェロとのシーン。古河耕史さんが演じるマリネッリはゴンザーガの前にいる時とは見え方が全然違い、おやおや? そんな人物の役だったのね? となった。ここで、木内さんがアンジェロ役の荒井正樹さんに、金貨袋を掌で受け取り、それをもう片方の手でつまみながら台詞を喋るようにと新たなリクエスト。
「自分と道具の関係を途切れさせないで」とも。その場で初めてやった荒井さんは何度か試みた末、見学者に「ごめんなさい」と謝ることに。芝居では凄みをきかせていた荒井さんのチャーミングな素が垣間見られた。木内さんも「僕が急に言ったから、ごめんね」と言い、場は笑いに包まれた。いやいや、誰も謝る必要ないんです。

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