くらし情報『フランス映画界の“re:START”は? 在仏ジャーナリストが現地レポート』

2020年6月10日 12:00

フランス映画界の“re:START”は? 在仏ジャーナリストが現地レポート

最大の困難は、ラブシーンなど親密な場面の撮影だが、脚本から削除できず、また俳優がマスクを着用するのが不可能な場合(それがほとんどだろうが)、毎回撮影前に検診および体温測定をすることが望ましい(ただし義務ではない)としている。あとは俳優自身の自己管理に任せるとあるものの、このあたりに関しては共演者同士が同意するかしないかという問題もあるので、微妙なところだ。

またこれらのケアは当然ながら、撮影コストの負担も招く。たとえば、今夏撮影を予定しているフランソワ・オゾンの新作のプロデューサーは、少なくとも全体のバジェットの15パーセント増しになると見ている。もちろんこの他にも、ロックダウンの影響で中断を余儀なくされ、コストが膨らんだ作品は少なくないが、保険会社はパンデミックの影響による賠償を認めていない。

こうした事態を受けて、政府の管轄にあるCNC(フランス国立映画映像センター)は、総額50ミリオンユーロ(約61億円)の援助を約束した。具体的には各作品の予算によりケース・バイ・ケースだが、最大20パーセントまでを負担するとされている。

この他にもCNCは、ロックダウン中に休館を余儀なくされた映画館とインディペンデントな映画館への特別援助、審査を前提にした配給会社への援助、興収税の控除などを実施している。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.