フランス映画界の“re:START”は? 在仏ジャーナリストが現地レポート
フランスの場合、CNCのような国立の機関があることと、“文化的例外”として、そもそも映画を含む文化や芸術活動がその他のビジネスと区別されているという背景が、さまざまな援助を迅速にもたらす結果となっていることは忘れられない。
一方、映画館が再開したら以前のように人が戻ってくるのか、という見通しについては、大方の業界関係者は楽観的なようだ。館内の衛生管理に関する具体的な発表はまだないものの、おそらくすでに公共交通機関で実施されているとおり、密集を避けるために利用できる座席を減らしたり、上映ごとに換気を設けるといった工夫がされるだろう。その限りにおいて、特に映画人口が多く、映画館で映画を観ることが大衆の娯楽に根づいているフランスの場合、ストリーミングの影響はそれほど深刻にはならないのではないかと考えている関係者が少なくないと思われる。
たしかに、すでに再開したカフェのテラスが盛況なのを見るにつけても、“ライフ•イズ•バック”を待ちわびていた人々が多く、以前と同じように娯楽を楽しみたいと考えていることが、肌で感じられる。むしろ6月22日以降、夏のバカンスシーズン突入までの期間が短いことの方が、興行関係者は懸念しているようだ。