2023年10月6日 11:30
『フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築』10月21日より開催 日本初公開となる自筆の建築ドローイングや図面も出品
帝国ホテルや自由学園明日館などの建築を手がけたことで、日本でもよく知られるアメリカ近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライト(1867-1959)。1923年に落成した「帝国ホテル二代目本館」の100周年を記念する展覧会が、2023年10月21日(土)から12月24日(日)まで、愛知県の豊田市美術館で開催される。
大都市化の進むシカゴで建築家としてのキャリアをスタートさせたライトは、明治政府が出展したシカゴ万博で高まった日本美術愛好熱にふれ、日本の文化に惹かれたという。1905年に初来日した際には大量の浮世絵コレクションを持ち帰り、1910年代には帝国ホテル二代目本館の設計を受注。構想から10年の歳月をかけて実現した帝国ホテルは、奇しくも関東大震災の発生当日に落成するが、災禍を生き延びた堅牢さもまた、ライトに名声をもたらした。
関東大震災から100年の節目の年に開催される同展は、ライトのキャリアの中心軸にこの帝国ホテルを据え、その魅力に多方面から迫るものだ。アメリカ、ヨーロッパ、日本など、様々な風土と文化から取り入れた要素を凝縮したこの建築に見られる様々な着想は、のちのライトの建築や都市計画にも展開されていくことになる。