2024年5月23日 11:00
「新しい女」の生きざま。劇団青年座『ケエツブロウよ-伊藤野枝ただいま帰省中』
マキノノゾミ脚本、宮田慶子演出による劇団青年座第256回公演『ケエツブロウよ-伊藤野枝ただいま帰省中』が5月24日(金)〜6月2日(日)、東京・紀伊國屋ホールにて上演される。
マキノノゾミと宮田慶子の“MMコンビ”は、これまでも明治〜昭和の文人たちを描いた作品で高い評価を獲得してきた。与謝野晶子と明治の若き文学者たちの交流を描いた『MOTHER』、物理学者・寺田寅彦とその家族を描いた『フユヒコ』、「坊っちゃん」の赤シャツと夏目漱石とを重ね合わせた『赤シャツ』の三作品は、いずれもおよそ2〜30年の長きに渡ってたびたび再演を繰り返している。
劇団青年座70周年および紀伊國屋ホール60周年を記念した今作でマキノと宮田が取り上げるのは、昨年没後100年を迎えた伊藤野枝。アナキズム(無政府主義)を標榜し、現代よりも世間一般の貞操観念が厳しかった明治〜大正期にあって、男女間のあり方に自由を求めるあまり、世間からは理解されないことも多くあった彼女。平塚らいてうによる『青鞜』に関わるようになった17歳から、1923年(大正12年)の甘粕事件で殺害されるまでの12年間を描く。
「ケエツブロウ」