「冬の時代」を真っすぐに生きた女たち5人を “五色の音楽” で演出青年座『ブルーストッキングの女たち』開幕
劇団青年座が、戦後を代表する劇作家・宮本研の『ブルーストッキングの女たち』を9月26日(土)より東京芸術劇場 シアターウエストにて上演。青年座は今年、宮本作品を3本予定していたが、1月の『からゆきさん』上演後、『反応工程』と新劇交流プロジェクトによる『美しきものの伝説』は新型コロナウイルスの影響のため中止に。9月から活動を再開し、出演女優たちの圧倒的な支持で選ばれた本作がいよいよ幕を開ける。
1911年、日本初の女性文芸誌「青鞜」が創刊。翌年、これに刺激を受けた伊藤野枝が、平塚らいてうを慕って九州から上京したことから物語は始まる。そこには、女性の解放と自由を求める“新しい女性たち”が集っていた。青鞜社で働くことになった野枝は、その後、女学校時代の教師・辻潤と結婚、子供ももうけるが、しだいに無政府主義者・大杉栄に惹かれていき……。
宮本の傑作『美しきものの伝説』と対を成すとされる本作。
劇の時代はともに大正元年の1912年から始まり、大正12年の1923年で終わる設定で、1910年の大逆事件の摘発以来「社会主義者の冬の時代」と呼ばれた時代が描かれている。売文社を舞台に男性の目線で描いた『美しきものの伝説』に対し、本作は青鞜社を舞台に、真っすぐに社会と向き合いながら女としての生き方を追求する女性の姿が描かれる。