Chim↑Pomの「都市論」とは? ANOMALYにて2プロジェクトを紹介
の廃墟に「ビール工場」を設置し、オリジナルビール「A Drop of Pandemic」を醸造。コレラや酵母といったバイオ的なプロセスを可視化し、それらと下水道などの街のイ ンフラにまつわる歴史的な関係を文脈とした、Chim↑Pomの「都市論」として展開される。
これまでも、ペスト媒介者としてのネズミをテーマにしたり、死の使いとされるカラスを題材とした作品に《BLACK OF DEATH》という黒死病を想起させるタイトルを付けてきたChim↑Pom。そんな彼らにとって、同展の2つのプロジェクトは、疫病と資本主義社会、そして都市の関係に触れてきた一連の流れにある。
Chim↑Pomの「都市論」は、「公から個」という昨今の東京のまちづくりに反して、「個から公」への回帰と刷新を念頭にした2018年ANOMALYでの個展《グランドオープン》からさらに発展。 移動が過度になったグローバリズムの最中にある「都市そのもの」と「人間の在り様」を提示する。世紀の祝祭イベントとなるはずだった東京2020オリンピックが、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け延期となり、その後緊急事態宣言が発令され、人々の意識や生活に大きな変革がもたらされた今、Chim↑Pomが独自の「都市論」