くらし情報『物理学者の決断が歴史を動かす……。映画『オッペンハイマー』を取り巻く時代背景とは』

2024年2月21日 17:00

物理学者の決断が歴史を動かす……。映画『オッペンハイマー』を取り巻く時代背景とは

に参加することになる。映画『オッペンハイマー』ではおそらく、このあたりのドラマが描かれることになるだろう。

大戦終結後、世界はアメリカを中心とする西側陣営と、ソビエト連邦を中心とする東側陣営の勢力争い“冷戦”時代に突入。西側では、国内に共産主義・社会主義を支持する者がいるのではないかという疑心暗鬼が巻き起こり、“赤狩り”と称して、多くの人が告発や尋問され、監視が行われた。

J・ロバート・オッペンハイマーも、50歳のときにソ連のスパイではないかと容疑をかけられてしまう。彼はそれを否定するが、疑惑は晴れることはなく、彼には62歳で亡くなるまで監視の目が注がれたという。

オッペンハイマーは歴史が大きく動いた時代に生まれ、その生をまっとうした。物理学者として常に時代の波に翻弄され、自問自答を続けたのではないだろうか。
本作を手がけたクリストファー・ノーラン監督はこう語る。「私が(この映画で)したかったのは、歴史の大転換期の絶対的中心にいた人物の、魂と経験の中に観客を導くことだ。好むと好まざるとにかかわらず、J・ロバート・オッペンハイマーは未だかつてない最重要人物だ。彼は良くも悪くも私たちが生きる今のこの世界を作り出した。

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