くらし情報『時を越えて人々から愛される大津絵の魅力に迫る『めぐりあう大津絵』9月15日より開催』

2023年8月21日 11:30

時を越えて人々から愛される大津絵の魅力に迫る『めぐりあう大津絵』9月15日より開催

「大津絵十種」《鬼の行水》、久保田米僊画、明治27年(1894)、神戸女子大学古典芸能研究センター蔵


滋賀県大津市の大谷・追分周辺で、江戸時代初期から旅人向けのお土産や護符として流通していたという大津絵。素朴な魅力を放つこの大津絵に焦点をあてた展覧会が、東京の八王子市夢美術館で、9月15日(金)から11月5日(日)まで開催される。まとまって紹介される機会の少ない大津絵を、71点の作品と関連資料によって紐解く貴重な機会となっている。
起源は諸説あるというが、一説によると、安土桃山時代から江戸時代へと移行した慶長年間に京都の本願寺が東西に分立した際に、門前町から立ち退きを命じられた絵仏師たちが、追分の地に転居し、旅人相手に手頃な値段の仏画を販売したことが始まりだとか。やがて仏画のほかに、神社の絵馬に見られる図柄や風俗画などの幅広い画題が取り入れられ、庶民の間に浸透するなかで、人形浄瑠璃や歌舞伎、浮世草子などの文学作品、さらに道徳哲学の分野にも影響を与えるようになった。
近現代に入ると、大津絵の造形的な面白さに惹かれた文化人たちが美術コレクションとして蒐集を始める一方、大津絵と日本の文化史との関係について、学問的な研究も進められるようになる。今回の展覧会の特徴は、文化人の視点と、研究者としての視点から集められたふたつのコレクションを紹介することで、それぞれの個性を対比しつつ、大津絵の魅力を掘り下げることにある。

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