2022年9月8日 13:20
新国立劇場『ガラスの動物園』主演・イザベル・ユペールのインタビューが到着
H本当に見事に調和のとれた四重奏となりました。なんと素晴らしい三人の俳優たちでしょう。ローラ役のジュスティーヌ・バシュレ、トム役のアントワーヌ・レナール、そしてジム役のシリル・ゲイユ。ジュスティーヌは優美そのもの、そして儚げで、見る者の心を強烈に揺さぶります。アントワーヌは、演じる人物の暴力性とフラストレーションの表現に長けています。シリルは、解放的で朗らかな人だと完璧に印象づけたかと思うと、一瞬ののちに場をかき乱す存在となり、物語冒頭でアマンダとローラが彼に期待していたものとはまったく逆のものをついには見せつけることとなります。
――以前「私にとって唯一のスポーツは舞台に立つこと」と発言されていましたが、現在のユペールさんにとって演劇は、ご自身の仕事の中でどのような位置にありますか。
Hああ、そんなことを言いましたっけ。
そうなのです、演じる役柄によっては動作を非常に抑制されることもあるとはいえ、確かなのは、俳優というものは、肉体全体を使って勝負しているということ。そして劇場とは、それが起こる唯一の場なのです(反対に、映画の場合、撮影が完了した段階では、演技者の身体表現は多くのカットに分断されています)。