今まで知らなかった本当のショパンに出会えそうだ。昨秋開催された「ショパン国際ピリオド楽器コンクール」の優勝者エリック・グオ(カナダ)が来日、ショパンのピアノ協奏曲全2曲を一挙に弾く。
バッハ・コレギウム・ジャパンを率いて共演する指揮者の鈴木優人は言う。
「ショパンの協奏曲は、大編成の現代オーケストラには物足りないというか、(音量のバランスを気にして)独奏ピアノとフルパワーでぶつかり合う精神状態になれないんです。それがピリオド楽器のオーケストラだと、ソロとオーケストラががっぷり四つに組んで、競う合うように弾くことができる。とてもエキサイティングなショパンになりますよ!」
それこそ協奏曲の醍醐味。
ショパン国際ピリオド楽器コンクールは、あのショパン・コンクールと同じポーランドのショパン研究所が主催する、ピリオド楽器(つまり作曲家が生きた時代のピアノ)を使って競われる、“もうひとつの”ショパン・コンクール。19世紀のピアノは現代の楽器と比べると音量は小さいが音色は多彩。
ピリオド楽器オーケストラとの共演なら両者がとてもバランスよく、互いにいきいきと弾ききることができるのだ。そしてなにより、あの親しんだ名曲が、ショパンが作曲時にイメージしていたままの響きでよみがえる。