巨匠リドリー・スコットの右腕が語る創作の秘密。「映画づくりは“戦い”です」
とプルスは説明する。
「彼は優れた芸術家でありながら、同時に腕のたつビジネスマンでもあります。本作は完成しましたが、現在、彼は新しいウエスタン映画のスクリプトを書いていますし、第一次世界大戦を題材にしたプロジェクトも進行中です。さらにプロデューサーとして『エイリアン』と『ブレードランナー』のテレビシリーズの開発も進めています」
仕事量もすごいが、スコット監督に驚かされるのは作品完成の速度だ。通常の監督であれば数年かかるような超大作映画を、彼は毎年発表している。同時に彼はプロデューサーでもあるので、資金の問題やスタジオとの交渉もしているのだ。
「芸術とビジネスの間にはいつも緊張関係があります。彼はよく『映画というのはものすごくお金がかかるものだ。
小説や絵画など芸術にはいろいろあるけど、映画はすごくお金がかかる。作る上で高くつくものではあるけど、自分は効率がいい人間だと思う。そしてセットでは自分は善意をもった独裁者である』と言いますね」
撮影現場のリドリー・スコット監督
自分の納得のいく環境・条件を獲得するために粘り強く交渉し、撮影に入れば誰よりも効率よく、明確なビジョンをもって撮影して俳優、スタッフを納得させてしまう。