2021年6月16日 12:00
国宝≪十一面観音菩薩立像≫を東京で初公開! 天平彫刻の名品を360度からじっくりと鑑賞
国宝≪十一面観音菩薩立像≫(部分) 奈良時代・8世紀奈良・聖林寺蔵
奈良県桜井市にある聖林寺が所蔵する国宝≪十一面観音菩薩立像≫を東京で初めて公開する、特別展『国宝 聖林寺十一面観音 ―三輪山信仰のみほとけ』が、 6月22日(火)から9月12日(日)まで東京国立博物館にて開催される。
江戸時代まで、法隆寺の国宝≪地蔵菩薩立像≫などとともに同市にある大神神社に所蔵されていた、天平彫刻の名品で日本を代表する仏像のひとつである、国宝≪十一面観音菩薩立像≫。
仏教伝来以前の日本では、神は山、滝、岩や樹木等に宿ると信じられ、本殿などの建築や、神の像はつくらず、自然のままの神霊が寄りつくものとして拝んでいた。その形が現在まで続いているのが三輪山を御神体とする大神神社。その大神神社に大神寺(鎌倉時代以降は大御輪寺)が建てられ、仏像が安置されていた。
今回の展示では、その優雅な表情、均整のとれた体軀、姿勢、しぐさの美しさを360度さまざまな角度から観ることができる。さらに、国宝≪十一面観音菩薩立像≫のほか、法隆寺にまつられる国宝 ≪地蔵菩薩立像≫、正暦寺≪日光菩薩立像≫、≪月光菩薩立像≫などの仏像、仏教伝来以前の日本の自然信仰を示す三輪山禁足地の出土品などを展示。