2023年9月21日 18:00
ウクライナ国立フィルハーモニー交響楽団が苦難を乗り越え4年ぶりに来日
“スラブ最高のオーケストラ”とも称されるウクライナ国立フィルハーモニー交響楽団が4年ぶりに来日し、12月に日本各地で公演を行う。
ウクライナ国立フィルハーモニー交響楽団は、1995年にキーウに本拠を置く国立フィルハーモニー協会の専属オーケストラとして創設。古くはミルシテイン、オイストラフ、ホロヴィッツ、リヒテルなどの大巨匠を生み出してきたウクライナの伝統を受け継ぎ、主に拠点キーウで年間50回以上の定期公演を行うほか、ヨーロッパ全土から客演に招かれ活動している。
しかし、2022年2月にウクライナへの侵攻が始まり、楽団の活動も中止。団員の中には軍に志願した人もいるが、戦火に苦しむ市民から「心の癒しがほしい」という声を受け同年9月に定期演奏会を再開した。現在もリハーサルや公演が空襲警報で中断する日々が続くが、ウクライナの人々から愛され、公演は満席が続いているという。
今回が9度目の来日で、“家路”のメロディーでおなじみのドヴォルザーク『新世界より』や、ベートーヴェンが残した偉大なる人間賛歌『第九』を含む多彩なプログラムを披露する予定。東京公演ではチケット代金のうち 1000円が人道支援の義援金として在日本ウクライナ大使館に寄付されるほか、音楽を通して支援の輪を広げる取り組みが予定されている。