2024年2月5日 12:00
クラシック音楽史上最高の調べに身を浸す ファビオ・ビオンディ演奏会
数ある“クラシック史上に残る名曲”の中でも、極めつけの名曲のひとつが、ヨハン・セバスティアン・バッハ(J.S.バッハ)による、無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータに違いない。
作曲時期は1720年。ケーテン宮廷楽長として、数多くの室内楽や協奏曲(世俗曲)を作曲していたJ.S.バッハ35歳の作品だ。それぞれ3曲のソナタとパルティータで構成される内容は、ヴァイオリンの可能性を究極にまで追求した“音楽の小宇宙”といった趣で、「無伴奏チェロ組曲」共々、J.S.バッハの魅力の全てが盛り込まれた濃厚な作品に違いない。古今東西のヴァイオリンの名手たちが、演奏と録音を繰り返してきたこの作品において、これまで唯一足りなかったパーツが、ビオンディによる同曲の演奏だ。
1990年、エウローパ・ガランテを率いてヴォヴァルディのヴァイオリン協奏曲集『四季』での衝撃的なCDデビューを飾ったファビオ・ビオンディは、今やイタリア古楽界の旗手として、ソロ、室内楽、そしてオーケストラ、オペラの指揮と、世界中で精力的な演奏活動を展開するスーパースター。そのビオンディが、“ヴァイオリニストのための聖書”といわれるJ.S.バッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」