2022年3月8日 12:00
《空也上人立像》が50年ぶりに東京へ『空也上人と六波羅蜜寺』東京国立博物館にて開幕
中信は西光寺を六波羅蜜寺に改名した僧侶で、この薬師如来像を本尊とした。
また、六波羅蜜寺には、2体の地蔵菩薩も伝えられている。平安時代と鎌倉時代に制作されたそれぞれの菩薩像からは、時代による様式の変遷をしっかりと見て取れる。やわらかく華やかな印象を与える立像と、運慶による衣のひだまで繊細に作り込まれた坐像を見比べてみるのもおもしろい。
重要文化財《地蔵菩薩立像》平安時代 11世紀京都・六波羅蜜寺蔵
重要文化財 運慶作《地蔵菩薩坐像》鎌倉時代12世紀京都・六波羅蜜寺蔵
重要文化財 《伝平清盛坐像》は慶派の仏師の手によるものと考えられている。僧侶の姿で巻物を持つ、他の同時代の像にはないポーズを取っている。なぜこの姿なのか、なぜ作られたのか、いまだにわかっていないミステリアスな本像だが、おそらく清盛の魂を鎮めるために作られたとも考えられている。
重要文化財 《伝平清盛坐像》鎌倉時代13世紀京都・六波羅蜜寺蔵
そして、なんといっても本展の目玉は空也上人立像。透明ケースに入り、360度どこからでも鑑賞することができる。空也の口から飛び出した6体の阿弥陀仏は、彼が「南無阿弥陀仏」と唱えたことで、念仏の文字の数だけ仏が生まれていたことを表している。