2021年3月20日 13:00
工藤晴香が導く“私たちの音楽”の旅 『MUSIKDHR』バースデー公演レポート
周波数へのせてその声を届けるように丁寧に歌唱したミドルバラードの「君へのMHz」。とにかく人を惹きつける求心力が凄まじい。「それぞれのPLANET」では、絵本の世界に飛び込むように煌く星が広がる。一方で、アンプの歪みが耳をつんざくように始まった「KEEP THE FAITH」では力強くダーク性を持ったミステリアスな一面も見せた。どこまでも彼女自身がその音楽を楽しんでいるのが伝わった「Thunder Beats」で距離感も縮まったところで演奏された「ROCK STAR」では、自分らしく輝くことの素晴らしさを目の当たりにし、彼女が掲げた拳が最高にカッコよく映った。
“今日みんなに会えたことで次の何かを生み出せるんじゃないかと思ったり”と口にする姿勢は、ライブは披露するのではなく私たちで創造するものだという想いを目の前のオーディエンスたちと共有していった。そして、私たちの音楽、それを共有することの大切さを刻みながら、海外へ自由に渡航できた時期に飛行機の中で歌詞を書いたという「アナタがいるから」のエピソードを話した。遠い異国の地にファンがいる不思議な感覚と、そんなファンと同じ空の下にいること。