くらし情報『観客を“その瞬間”に連れていく。クリストファー・ノーランが『オッペンハイマー』で描きたかったもの』

観客を“その瞬間”に連れていく。クリストファー・ノーランが『オッペンハイマー』で描きたかったもの

「トリニティ実験の下準備中に、オッペンハイマーとそのチームは非常に小さな可能性を目にしていた。彼らがこの最初の爆弾のボタンを押して起動させたら、連鎖反応が起きて地球の大気を焼き、地球を破壊するかもしれない。いかに小さくても、その可能性を完全に排除することができる数学的、理論的根拠は存在しない。それでも彼らはボタンを押した。私は観客をその部屋に連れ込み、その会話が交わされるときに、ボタンが押されるときに、立ち会ってもらいたかった」

この瞬間、客席のあなたは何を感じるだろう?オッペンハイマーは何を感じていただろう。そこには葛藤や恐怖、知的好奇心、不安、重圧があったのではないだろうか?このボタンを押せば、世界は永遠に変わってしまう。そのとき、人は何を感じるのか?それは言葉で表現したり、映画で描けるものなのか?

ノーラン監督が本作で最も描きたかったもの、それは観客であるあなたを“その瞬間”に連れていくことだ。オッペンハイマーだけでなく、映画を観るあなたも試される。
何度も劇場に足を運び、繰り返し“その瞬間”に立ち会う観客は今後も増え続けるだろう。

『オッペンハイマー』本予告

『オッペンハイマー』
3月29日(金)

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