2024年4月22日 12:00
原型と言われている戯曲で、 吉田羊が新たなハムレットを創る『ハムレットQ1』
「新しいハムレットを見せるぞ」とむしろ燃えました(笑)。
──そのQ1と呼ばれる戯曲は、通常の『ハムレット』の半分の長さの凝縮版ですが、どんな印象をお持ちになりましたか。
あちこちに刈り込みが入ったことで非常に疾走感があり、ハムレットの感情の流れがシンプルで分かりやすいと感じました。かつ、シンプルになったことにより、復讐のための狂気だと思っていたものが、原動力はひとつではないことも見えてきて。復讐に関連して起こる度重なる不当な仕打ちをもたらす人間たちへの憎しみや悲しみ、絶望も感じられました。ハムレットと言えば「イケメンキャラクターの筆頭」ですが、むしろそんな負の感情を抱えきれずに七転八倒する、不格好な人だなと感じます。また、ハムレットの父親を殺した叔父のクローディアスのキャラクターがとても人間っぽく、兄を殺めてしまった後悔や懺悔をしっかりと見せていたりするのも面白いポイントです。するとハムレットも、身内である叔父に剣を向けることへのためらいも生まれたりするのかな。
それは、実際にお芝居をして動いてみないとわからないことではありますが、とにかく稽古でいろいろ試したいと思っています。
──とすると、単なる凝縮版ではなく、まさしく新しいハムレットになる。