原型と言われている戯曲で、 吉田羊が新たなハムレットを創る『ハムレットQ1』
でもそこであきらめるのではなく、挑戦し続けて、アップデートしていきたいと思うんです。──舞台に立つたび、鍛えられたという手応えはあるものですか。
少なくとも前回の『ジュリアス・シーザー』では、苦手としていたシェイクスピアが楽しめたという手応えがありました。今回は前回以上にセリフ量が膨大なので、これをやり切れたら、「よく頑張った」と褒めてもいいのかなと思いますが、いかんせんまだ始まっていないので、頑張りますとしか言えません(笑)。
──凝縮版と言っても、ハムレットの独白はたっぷりありますからね。
台本のページをめくってもめくっても喋っているんです(笑)。でも森さん曰く、「ハムレットは復讐を周りに気取られないように狂気を演じるけれど、お客さんには全部話すんだよ。だから独白こそ外へ出せ、お客さんを巻き込め」と。
それに、舞台を見慣れていないお客様にとっては、全部喋ってくれるのは助けになると思うんです。だから舞台好きの方はもちろん、初心者の方にも楽しんでいただけるのではないかなと思っています。
──『ハムレット』を観たことがない人にも、何度も観ている人にも、どちらにも新たな刺激を与えてくれる作品になりそうですね。